「教員になったら、iPadを片手に颯爽と授業をしたい!」
「スタバでMacBookを開くように、職員室でiPadを使いたい!」
その気持ち、痛いほどわかります。僕自身、身の回りをApple製品で固めている重度のApple信者ですから。
しかし、現役小学校教員の僕が「これから教員になる人」や「周りに流されてiPadを買おうか迷っている先生」に、プロとして結論をお伝えします。
💡 結論
「事務処理を効率化したい」という目的だけで買うなら、個人のiPadは「不要」です。
ネット上の「iPadは教員の神器!」という言葉を鵜呑みにして、PCの代わりとして購入すると、高い確率で後悔します。
なぜApple信者の僕が、あえて「買わなくていい」と言うのか。
現場のセキュリティ事情と、iPadをPC化しようとした先に待っている「コストの罠」、そしてYahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでも悲鳴が上がっている「税金の現実」について、本音で解説します。
❌ Apple信者の僕が「学校にiPadはいらない」と断言する5つの理由
「iPadがあれば仕事が早くなるはず!」と思って10万円近く投資したのに、現場のシステムと噛み合わず、結局ロッカーに眠っている……。
そんな悲劇を防ぐために、現場のリアルな壁をお伝えします。
理由1. セキュリティとネットワークの壁
これが最大の理由です。学校のネットワーク環境は、家庭とは全く異なります。
🚫 校務系ネットワークへの接続はほぼ100%禁止
まず、成績処理などを行う「校務系ネットワーク」への個人端末接続は、ほぼ100%禁止されています。
授業で使う「学習系ネットワーク(インターネット)」であっても、自由に繋げるわけではありません。
自治体によってはMACアドレスの登録申請など煩雑な手続き(BYOD申請)が必要だったり、そもそも許可されなかったりするケースも多々あります。
📡 オフラインでは「チーム戦」に参加できない
「オフラインでも仕事はできるでしょ?」と思うかもしれません。
確かに、動画編集や手書きノートの作成など、個人で完結する作業は可能です。
しかし、学校の業務は「チーム戦」です。
- 学年団での資料共有
- クラウド上での共同編集
- 緊急の連絡
これらは全てネットワーク上で行われます。
ネットに繋がらないiPadを持っていると、「自分だけリアルタイムの共有の輪に入れない」という致命的な孤立を招きます。
理由2. 「PC化」しようとすると、PCより高くて重くなる
「キーボードがあればiPadでも快適に仕事ができるはず!」
そう思ってMagic Keyboardなどを買い足そうとしている先生、ちょっと待ってください。
ここに重大な「コストの罠」があります。
💰 価格比較:iPad vs ノートPC
| 項目 | ノートPC | iPad(PC化) |
|---|---|---|
| 本体 | MacBook Air 約13万円 | iPad Air 13インチ 約13万円 |
| キーボード | 標準装備(0円) | Magic Keyboard 約6万円 |
| HDMI出力 | 標準装備(0円) | 純正変換アダプタ 約1万円 |
| 合計 | 約13万円 | 約20万円 |
iPadをPC並みに快適にしようとすると、経済合理性が崩壊します。
なんと、同等スペックのMacBook Airよりも高額になります。
📺 見落としがちな「変換アダプタ」の罠
特に忘れがちなのが、画面を映すための「変換アダプタ」です。
安価な社外品は学校の機材と相性が悪く映らないことが多いため、約1万円の純正品が必須になります。
「高いお金を出して、PCより重くて、ケーブル類も自腹で買わなきゃいけない端末」を作ることに意味はあるでしょうか?
キーボード操作が必要な作業をするなら、最初からキーボードがついているPC(MacBookや支給端末)を買うのが正解です。
💡 CHECK!
もしMacBookの購入を検討しているなら、こちらがおすすめ
理由3. 【悲報】知恵袋でも話題。「自腹購入」は経費になりません
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトで、教員から頻繁に寄せられる質問があります。
「仕事で使うiPadを自腹で買いました。これは経費(特定支出控除)で落とせますよね?」
❌ 結論:99%、落ちません
「仕事道具なんだから税金が安くなるはず」というのは幻想です。
教員(給与所得者)が経費を認めてもらうための「特定支出控除」には、エベレスト並みに高いハードルがあります。
🏔️ 特定支出控除の2つの壁
- 基準額の壁
その年の給与所得控除額の半分(数十万円)を超える出費が必要。iPad一台程度では届きません。 - 証明書の壁
「職務の遂行に直接必要である」という証明書を、教育委員会や校長から発行してもらう必要があります。学校側がPCを支給している以上、「個人のiPadが必須」と証明するのは不可能です。
つまり、あなたが支払う約20万円は、税金対策にもならない「純粋な消費(またはボランティア)」です。
「給料からこれだけ出す価値が本当にあるのか?」を、冷静に計算してみてください。
理由4. シャドーIT(意図せぬ情報漏洩)のリスク
ここが最も怖い点です。
iPadやiPhoneは、データをクラウド(iCloud等)で同期する機能が非常に優秀です。
しかし、これが学校現場ではアダとなります。
⚠️ 危険な例
例えば、教材作成のためにiPadで教室の写真を撮ったとします。
もしその写真に、児童の名札や掲示物が写り込んでいたら?
そして、そのデータが気づかないうちに個人のiCloudにアップロードされていたら?
これは「シャドーIT」と呼ばれる、重大なセキュリティ違反になりかねません。
「自分は大丈夫」と思っていても、個人端末を業務利用する以上、常に情報漏洩のリスクと隣り合わせです。
学校支給のカメラや端末を使えば、このリスクはゼロにできます。身を守るためにも、個人端末でのデータ扱いは避けるべきです。
理由5. 紛失・破損のリスクは全て自己責任
学校、特に小学校の教室は、物理的にハードな環境です。
- 子どもたちが走り回って机に衝突する
- 給食の配膳中に汁物が飛ぶ
日常茶飯事です。
💔 10万円の精密機器を守れますか?
そんな場所に、自腹で買った10万円の精密機器を置けますか?
もし破損しても、当然ながら弁償はありません。
さらに怖いのが「紛失・盗難」です。
万が一、iPadの中に業務関連のメモやデータが残っている状態で紛失すれば、それは「個人の不注意」では済まされない大事故になります。
リスクとリターンを天秤にかけた時、リスクの方が重すぎると言わざるを得ません。
✅ それでもiPadが「武器」になる唯一の条件
ここまで「不要」と言い続けてきましたが、iPadが役に立たないわけではありません。
「PCの代わり」ではなく、「PCにはできないこと(直感的な操作)」に特化するなら、iPadは最強の武器になります。
📱 iPadが活きる用途
以下の用途がメインなら、購入する価値があります。
ただし、キーボードは買わず、あくまで「タブレット(指とペン)」として使うことが条件です。
1. 手書き思考
Apple Pencilを使った教材への書き込み、学級通信の手書きイラスト作成。
💡 CHECK!
Apple Pencilで授業準備が変わる!
2. 直感的な動画制作
指先一つで完結するiMovieなどの編集。
※ショートカットキーを必要とする高度な編集ならPCでやるべきです
3. AR活用
理科や社会科でのARアプリを用いた立体的指導。
これらは、スペックの低い支給PCでは難しい作業です。
「事務を楽にするため」ではなく、「授業の質を上げるための制作ツール」として割り切るなら、iPadは投資に見合う価値を発揮します。
💡 おすすめモデル
教員向けには、コスパの良いiPad(第10世代)がおすすめ
【重要】作ったデータの活用方法
ここで注意が必要です。
「iPadで作ったデータを学校のPCに移そう(USBメモリ使用等)」としてはいけません。
ウイルス感染のリスクがあるため厳禁です。
✅ 正解の方法
「データを移さず、iPadをHDMIケーブルで電子黒板に直接繋ぐ」ことです。
これならセキュリティ違反にならず、ネットワーク設定も不要です。
💡 必須アイテム
iPad用HDMI変換アダプタ(純正推奨)
⚠️ ただし4つの物理的な壁がある
- 機動性と安全性の問題
有線接続なので、教卓から動けなくなります。さらに怖いのが、教室を走り回る児童がケーブルに足を引っ掛ける転倒事故です。 - 設備の壁
学校のプロジェクターが古すぎて、HDMI端子がない(VGA端子しかない)場合があります。買う前に必ず教室の設備を確認してください。 - アダプタ代
前述の通り、出力用アダプタで約1万円の追加出費が必要です。 - 黒帯(画面比率)の壁
iPadは画面が正方形(4:3)に近いため、教室のテレビ(16:9)に映すと左右に太い黒帯が出ます。
もし教室にApple TVなどの無線環境があれば最高ですが、公立校では天然記念物レベルのレアケースです。
基本は「高価なアダプタを買い、教卓に縛り付けられて使う」覚悟が必要です。
🎯 【番外編】それでも僕がiPadを使い続ける「真の理由」
散々「いらない」と言ってきましたが、実は僕は毎日iPadを使っています(笑)。
学校の業務には使いませんが、「教員としての自己研鑽」と「Apple製品との連携」において、これ以上のツールはないからです。
「リスクを理解した上で、それでも使いこなしたい!」という上級者向けに、僕の活用術を紹介します。
活用法1. 読書革命:Kindle × スクショが最強のインプット
教員向けの専門書や教育書は、分厚くて重いものが多いですよね。
僕は全てKindleで購入し、iPadで読んでいます。
📚 メリット
- 持ち運びゼロ:何十冊もの本がiPad一枚に入ります。
- 実践のストック:「これ授業で使える!」と思ったページは即スクリーンショット。写真アプリで「学級経営」「授業アイデア」などのフォルダに分ければ、自分だけの最強のナレッジベースが完成します。
⚠️ 注意
スクショしたデータはあくまで「教員自身の勉強用(私的利用)」として留めてください。そのまま授業で投影したり、印刷して配布したりすると著作権法に触れる可能性があります。
活用法2. Apple Pencilの書き心地は「脳の拡張」
キーボードは「清書」には向いていますが、「思考の整理」には向きません。
授業の構想を練ったり、モヤモヤした悩みを書き出したりするとき、Apple Pencilの書き心地は最高です。
紙と違って無限に書けますし、消しカスも出ません。
活用法3. Mac・iPhoneとの「神連携」
自宅でMacを使っている人なら、連携機能だけで元が取れます。
🔄 主な連携機能
- Macで教材作成 → AirDropでiPadへ
自宅のMacで作った動画やスライドを、AirDropで一瞬でiPadに飛ばせます。USBメモリを使わないので、ウイルス感染のリスクもなく安全に学校へデータを持ち込めます。 - Macのサブディスプレイ
「Sidecar」機能を使えば、iPadがMacの2画面目になります。自宅での教材作りやブログ執筆が爆速になります。 - iPhoneで撮影 → iPadで提示
自分のiPhoneで撮った写真を、AirDropでiPadに飛ばして大画面で見せる。この連携の速さはAppleならではです。
⚠️ 超重要
この情報の流れは「自宅(私物)→学校」の一方通行のみです。学校で知り得た情報や撮影した写真を、iPadから自宅Macに送る(持ち帰る)のは情報持ち出しになるため絶対にNGです。
🚨 シャドーITへの警告
iPhone・iPad連携を使う際は、「絶対に個人情報(子供の顔、名札、掲示物)を撮らない」ことを徹底してください。
植物、理科の実験器具、自分の板書など、「個人情報を含まない教材データ」に限って活用するのが、自分の身を守る鉄則です。
📝 結論:初心者はまず「支給PC」を使い倒せ
まとめます。
教員にiPadが必要かどうかという問いへの、現役教員・青ゴリラの答えはこうです。
💡 結論
「まずは学校から支給されたPCとChromebookを極めろ。iPadはそれからだ」
❌ iPadをおすすめしない理由まとめ
- セキュリティ規定の厳しさ
- PC化しようとした時のコストパフォーマンスの悪さ(総額20万)
- 経費(特定支出控除)にはならない残酷な現実
- シャドーITによる情報漏洩リスク
- 紛失・破損リスク
これらを理解せず、「なんとなく便利そう」でiPadを買うのは危険です。
まずは支給端末でGoogle Workspaceや校務システムを使いこなし、「どうしてもPCでは表現できない手書き教材を作りたい!」という明確なクリエイティブ欲求が生まれた時こそ、iPadの買い時です。
その時が来たら、また相談してください。その時は、全力で背中を押しますよ!
🛍️ もし購入を決めたら:おすすめ製品リンク
それでも「やっぱりiPadを使いたい!」という方へ、おすすめの構成を紹介します。
📱 おすすめ構成
- iPad(第10世代)
- ペン:Apple Pencil(第1世代) – 手書き教材制作に
- 接続用:USB-C Digital AV Multiportアダプタ – 純正推奨
💰 総額目安
約7万円〜(キーボードを買わない場合)
青ゴリラでした!

