3年生の社会で「身近な地域や市区町村の様子」・「市の様子の移り変わり」の学習がありますが、
こんな悩みはありませんか。
「身近な地域の地図が手に入らない。」
そうなるとGoogle Map一択になってくるところですが、
それよりも国土地理院のサイトがとても便利だったので
紹介します。
このサイトを一言でいうと
「日本国内の年代ごとの地図を閲覧したり、それらを比較したりすることができ、任意の地図を手に入れることができる」
サイトです。
白地図を印刷できる
白地図にモード切り替えて、
ズームアウト、ズームインをすることによって
行政界(都道府県界、市区町村界)と
都道府県名、市区町村名だけを示した白地図を簡単に表示できます。
都道府県
もっともズームアウトした状態。
都道府県の境界線が表示されます。
これをズームインすると
都道府県の境界線に加えて都道府県名が表示されます。
区市町村
さらにズームインすると
区市町村の境界線と市区町村名が表示されます。
さらに、さらにズームインすると
区市町村の境界線と市区町村名に加えて
よみがながつきます。
この機能を使うと
自分の住んでいる
市町村の大きさを比べること、
位置関係・形の特徴など
を知ることができます。
街の移り変わりをみることができる
3年生の私たちの街の移り変わりを
見る単元があります。
これは教材を作るのにも、
児童に調べ学習をさせるのにも使うことができます。
写真を見る
日本の国土を空から撮影した写真を見ることができます。
Google Mapと地理院地図の違いは、
地理院地図は、1970年代から現在までの全国の空中写真を公開しているということ。
一部の地域では1936年の古い空中写真も閲覧できます。
一例として、
名古屋空港の過去から現在までの航空写真を並べてみました。
1枚目は1940年代。
2枚目は1960年代。
3枚目は1980年代
4枚目は2021年。
これのすごいところは
経度・緯度が変わらず、
定位置で年代だけを変えることができることです。
これらは全て印刷することができます。
なので、学校周辺の移り変わりの航空写真
を廊下や教室に掲示するだけでも
児童が自分の家や自身に関連する建物を探しており、
十分な導入になりました。
重ねて比べる
右上のツールを使えば、
上の地図は、重ねて比べることもできます。
左は1940年代の名古屋空港、
右は2021年の名古屋空港です。
もともと名古屋空港は
旧日本陸軍の飛行場として
1944年に開設されました。
現在の名古屋空港の滑走路は
1940年の陸軍飛行場時代のときと
位置が変わっていないことがわかります。
現在は三菱重工の航空関連の工場があるところは
1940年にはそこだけが真っ白になっていて
建物がありません。
並べて比べる
上と同様右上のツールを使えば、
同じ場所の異なる年代の写真を、2画面に並べて表示できます。
場所の移動や拡大・縮小で、2画面が連動して動きます。
白地図を編集することができる
地理院地図Vectorを使うと
自分が必要な地図を簡単に作ることができます。
多機能なので、
これは授業で使えると思ったものを
紹介です。
9種類の地図
画面の左側の「おすすめの地図」にある
アイコンを押せば9種類の地図に簡単に切り変えることができます。
「標準地図」・「淡色地図」には地図記号ものっているので、
小学校3年生の社会、地図記号でかなりつかえました。
「写真+注記」は航空写真に場所の名前が書いてあります。
Google Mapですと、お店名前、公共の場所など情報量が多すぎますが
この地図ですと、赤文字は交通、白文字は住所ととてもシンプルになっています。
回転表示・鳥瞰表示にする
地図記号が入った状態で、
回転したり、鳥瞰表示をさせたり
できます。
項目ごとに表示・非表示
項目ごとというのは、例えば地図から建物を消すことができます。
左下にある「建物」にある「目のマーク」
をクリックするだけで建物を消すことができます。
かなり細かく項目の表示を切り替えることができます。
例えば「建物」だけでもビルのような
「高層建物」だけを表示することもできます。
例として
地図記号・地名を消して
名古屋駅周辺の高層建物のみを表示しました。
こうして見ると
名古屋駅は東側に高層建物があるが
名古屋駅の西側には高層建物がない
ということが一目でわかります。
項目ごとに色を変える
上にような項目ごとに表示・非表示だけではなく
それぞれに色をつけることもできます。
一例として「水域」に青色をつけてみます。
左下の「水域」の文字をクリックすると
上のようなウィンドウが開きます。
これの塗り潰し色を青色にすれば
「水域」のみを青色にすることができます。
まとめ
これらの機能を使えば、
見せたい情報が焦点化されるので
児童の思考が教師の期待するところへ向かうことが期待されます。
地図帳も使いこなせばすばらしい道具ですが
地理院地図のようにデジタルだからこそ自身に最適なものを
手に入れることができるのはすばらしいです。
「知は力なり」という言葉を思い知らされます。
その他使えるICT活用はこちらからどうぞ。