小学校のクラスで一斉指示が通らない原因とその効果的な対策方法

先生の仕事

小学校の先生にとって、一斉指示が通らないことは大きな悩みですよね。原因は様々考えられますが、適切な対策を講じることで、スムーズな授業・学級経営を実現することができます。

本記事では、以下の書籍を参考にして、小学校のクラスで一斉指示が通らない原因と、具体的な解決策を分かりやすく解説します。

今回参考にしている書籍です。
どの本も教師にとって重要なスキルである「話す」をパワーアップさせる方法が書かれています。

原因を特定しよう!

一斉指示が通らない原因は、子どもによって様々です。考えられる原因は以下の通りです。

指示が長い

一斉指示が通らない原因に「指示が長い」ということが考えられます。

子どもは、一度にたくさんのことを言われても忘れてしまい、その通りに動けなくなります。大人でもいっぺんにたくさんのことを言われても、なかなか頭に入りません。大人だったらわからなくても周りの人の動きを観察して同じように真似をする、資料を読み直すなど対処できます。

しかし、子どもだったらどうでしょうか。

  • わからなくなり、動かなくなる。
  • 何をすればいいのか、周りの子に聞く。
  • 指示内容がわからなく、独自の解釈で始める。

結果、教師が叱責したり、もう一度指示をし直すことになります。

後付の指示がある

「指示の後付け」もNGです。その理由は、教室のルールや指導方針が一貫していないと、児童は何を期待されているのかを理解しにくくなるからです。後付の指示が頻繁に出されると、教師の指導に一貫性がないと感じられる可能性があります。

またその頻度があがると、児童から「どうせ、あとから追加の指示があるから。」と全力で物事に取り組まなくなる可能性があります。

教師でも、校務分掌などで資料ができたあとに追加で指示や新たなルールが追加され資料の作り直しなどになったら非常にガッカリしませんか。

作業中に指示を出している

「何か作業をさせながら 指示を出す」ことは NG です。その理由は以下のことからです。

集中力が途切れる:
指示を受けると、作業の流れが止まり、集中力が途切れてしまいます。再開するまで時間がかかり、全体的な作業時間が長引く可能性があります。

集中力の分散:
生徒は一つのことに集中するのが難しいため、何かをさせながら指示を出すと、どちらにも集中できなくなります。結果として、指示が十分に理解されない可能性があります。

結果、教師の意図とした指示が通らず、実際の児童の作業速度も落ち教師がイライラする結果になります。

対策方法

指示を聞く準備をさせる

先生が話を始める前に、子どもたちが話を聞く準備ができていることを確認しましょう。
「目をこっちに向けてください。」「手からものをすべて離し、先生の方を向いてください。」など、声をかけ活動を止めさせます。

ここでのポイントは手に何も持たせないということです。
将来的には鉛筆を持ちメモを取りながら聞けるようにするのがゴールですが、初期の段階は徹底して手に何も持たせず話しを聞くということです。

また、私の場合は教師の方を一人でもこちらを向いてなかったら絶対に話しを始めないということを徹底していました。話しの途中でも手に何か持ったり、よそ見をしたら話しを途中で止めていました。

一つの指示で一つの行動

一つの指示で一つの行動にするようにしましょう。
上の指示が通らない原因の一つであげていた「指示が長い」に対する対策です。

例えば以下のような指示は、長いNGな指示です。
「教科書の13ページを開いてください。開き終わったら、ノートを開き、今日のめあてを書いてください。」

これを、一つの指示で一つの行動に直します。
「教科書の13ページを開きます。」開いたことを確認する。
「ノートを開きます。」
開いたことを確認する。
「今日のめあてを書きます。」

では上のように指示を短くするポイントです。

  1. 細かすぎるかなと思うくらい、文章を細かく切る。
  2. 句点が増やしていくようなイメージで話す。
  3. 「しましょう。」ではなく、「です。ます。」の敬体で指示を出す。

話すことを明確にしておく

指示を出す前には、教師が話すこと、何を伝えたいのかを明確に整理しておきましょう。迷わずにスムーズに指示を出すことが大切です。

特に出す指示が長くなる場合は、事前に伝えなくてはいけないことをリストのようなメモを作成するなどをしてから指示を出すとよいです。

私の場合、全体に生徒指導をするときには、感情的になって何を話しているかわからなくなることを避けるために、「絶対に伝えなくてはいけないこと」というメモを作成して、それを見ながら生徒指導を行っていました。

全体を話してから、詳細を話す

まずは全体の流れ、完成形までを簡単に説明し、その後に詳細な指示を伝えると、子どもたちも理解しやすくなります。

これは授業など、活動時間が長くなる場合に効果的です。

1. 理解を促進する
人間は、情報を断片的にではなく、全体像の中で理解しようとします。まず全体像を提示することで、その後の詳細説明がより理解しやすくなります。

2.目標を明確にできる
全体像を示すことで、子どもたちは最終的な目標を理解できます。目標が分かれば、その達成に向けて自分が何をすべきかが明確になります。具体的な目標があれば、子どもたちは自分の行動を調整しやすくなります。

3.段取りを理解しやすい
全体像を先に示すことで、活動の段取りや順序が分かりやすくなります。たとえば、「今日は絵を書ききます。完成はこんな感じになります。これをやるためにはどんなことをすればよいでしょうか。」といった指示は、子どもたちが次に何をすべきかを予測しやすくします。

指示内容を復唱させる

指示を出した後に、子どもたちに内容を復唱させてみましょう。児童がどれくらい理解できているか確認することができますし、話しを聞き理解することが苦手な児童のフォローにもなります。

私の場合、学年にもよりますが、指示を出し終わったあと以下のような質問をしていました。

  • 今の話を一言でいうとどんな話か
  • 今の話は全部でいくつの話題があったか
  • 今の話しは3つありました。1つ目のどんな話しでしたか。
  • 今の話で最も大切な話しはなにか

上の質問を指示のあとにすると予告すると話しを聞く集中力が高まりました。

質問を受け付ける

指示内容の確認まで終わったら、児童から質問を受け付けましょう。これを行う理由は以下のことからです。

1.指示の途中に口を挟ませないため
指示の途中で、「先生、これってこういうことですか?」など、口を挟む児童がいます。毎度毎度答えていったら、指示が止まってしまいます。こういったことを防ぐために「先生の話しが終わったら質問を受け付けます。」と年度初めから指導をしましょう。

2.指示の追加を防ぐことができ
教師がいくら話すことを準備していても、指示の抜けがあることはあります。児童の聞く力が育ってくると指摘してくれる児童が生まれてきます。結果、活動の途中に追加で指示を出す必要がなくなり、後付の指示をすることがなくなります。

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まとめ

・一斉指示が通らない原因として、
「指示が長い」「後付の指示がある」「作業中に指示を出している」
の3つが挙げられます
・一斉指示を通すための対策として、
「指示を聞く準備をさせる」「一つの指示で一つの行動」「話すことを明確にしておく」「全体を話してから、詳細を話す」「指示内容を復唱させる」「質問を受け付ける」
の6つが挙げられています。

この記事を書いた人

●現役小学校教員13年目
●家事育児のため定時退勤
●ICT・鉄道・授業・サウナが好き
●win-winな仕事の仕方を模索中
●小学校教師を魅力的な職業にしたい
●今年度は特別支援学級

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