小学校の席替えのやり方とアイデア【男女は?班の人数は?コツは?】

先生の仕事

「席替え、どうしよう…。」

子どもたちにとって、席替えはワクワクするイベントである一方、先生にとっては悩みどころですよね。

「誰が誰と仲が良いのか、誰がどこに座ると集中できるのか…」

様々な要素を考慮し、子どもたちが気持ちよく学習できる環境を作るのは大変な作業です。

そこで今回は、現役小学校教師である私が席替えのアイデアをいくつかご紹介します。

このブログ記事では、以下の内容を解説します。

  • 席替えの目的
  • 席替えは先生が決めるのがよいのか?
  • 男女はとなり?男女は混合?
  • 班の人数は◯人がよい
  • 座席表を短時間で作る方法
  • トラブルを起こさない席替え指導

ぜひ、参考にしてみてください!

席替えの目的は

小学校で行われる席替えには、大きく分けて以下の3つの目的があります。

人間関係の構築と多様な価値観の育成
学習意欲の向上
学級全体の活性化

人間関係の構築と多様な価値観の育成

固定した席では、限られた相手との交流しかできません。席替えをすることで、様々な性格や価値観を持つ人と関わる機会が増え、人間関係の構築や多様な価値観の育成に役立ちます。

現代社会は、多様な価値観が共存しています。席替えをすることで、子どもたちは以下のようなことを学ぶことができます。

  • 自分とは異なる考えや価値観があることを認識する: 自分とは異なる考えや価値観を持つ人を受け入れることは、社会で生きていく上で非常に重要です。
  • 多様性を尊重する: 異なる価値観を持つ人々と共存するために、相手の意見を尊重し、寛容な態度で接することが大切です。
  • 自分の価値観を確立する: 異なる価値観に触れることで、自分の価値観を客観的に捉え、より深く理解することができます。

学習意欲の向上

いつも同じ席だと、集中力が低下したり、学習意欲が下がったりすることがあります。席替えをすることで気分転換になり、学習意欲の向上に繋がります。

人間は、同じ環境に長くいると、慣れてしまい、刺激が少なくなり、集中力が低下しやすくなります。これは、子どもにとっても同様です。

席替えによって、子どもたちは今まで発言する機会がなかった友達と話す機会が増えます。

これは、子どもたちの積極的な発言を促進し、学習意欲の向上に繋がります。

学級全体の活性化

席替えをすることで、学級全体の雰囲気が変化します。新しいグループや学習スタイルが生まれることで、活発な意見交換や協働的な学習が促進されます。

新しいグループ活動では、リーダーシップを発揮したり、積極的にコミュニケーションを取ったりする機会が増えます。これらの経験を通して、子どもたちのリーダーシップやコミュニケーション能力が育成されます。結果、学級全体が活発化します。

小学校の席替えを決め方

先生が主導で決めていくのベター

席替えの方法として「くじ引き」という方法がありますが、私は強く反対をします

・身長や体格など、児童によって異なる要素が考慮されない。
・組み合わせてはいけない児童同士になる可能性。トラブルの元。
・よく遊ぶ友達どうしになるので、席替えの「多様な価値観を知る」目的を達成できていない。

以上の理由から席替えは教師が明確な意図や狙いをもって教師主導で行うものだと考えます。

席替えのタイミングは?

一般的には、1ヶ月に1回程度が適切とされています。

これは、子どもたちが新しい環境に慣れるのに2週間ほどかかり、その後2週間ほどで学習効果が上がるという研究結果もあるそうです。

しかし、

  • 学級の雰囲気が悪く、人間関係がうまくいっていない
  • 集中力が低く、学習に支障が出ている

など不都合が生じているならばその限りではありません。

男女隣か男女混合か?

クラスの男女比にもよりますが、私はあまり気にしていません。
ここ数年は男女混合になるように席替えをしていますが、特に困ったことはありません。

むしろ男女混合の方がメリットの方を多く実感しています。

・協調性やコミュニケーション能力を高める
男女関係なく座席を決めることで、異なる性別の人と協力したり、コミュニケーションを取ったりする機会が増えます。これは、協調性やコミュニケーション能力を高めるのに役立ちます。

多様な価値観や考え方に触れる
男女関係なく座席を決めることで、異なる性別の人と意見交換をしたり、考え方を共有したりする機会が増えます。これは、多様な価値観や考え方に触れるのに役立ちます。

・座席を考える負荷が減る
先生が座席表を作るときのメリットもあります。男女を隣にするという制約が減るので、座席を決める自由度があがり、座席を組みやすくなります。またこの後紹介するChatGPTを使った座席表作りでも楽になります。

強いてですが、デメリットも紹介します。

・生活班で同性が自分一人だけになり不安になる児童もいる
事前に「現代社会では男女関係なく協力してやっていくことが必要」であるというジェンダーレスの考え方を児童と共有してあれば起きづらい問題でありますが、そうなった場合先生からフォローは必要になってきます。

先生方の学級の実態に合わせてお選びください。

班の人数は?

生活班の人数にも様々なパターンがあります。
それぞれの班の人数にするメリット・デメリットをみていきます。

ちなみに私のオススメは3人班です。

4人班

だいたいの学校・学級で見られる一般的な班の人数です。

多様な意見やアイデアが得られる
4人いれば、それぞれ異なる個性や考えを持っているため、より多様な意見やアイデアが得られます。これは、問題解決や課題に取り組む際に非常に有効です。

役割分担がしやすい
4人いれば、それぞれの能力や適性に合わせて役割分担がしやすいです。リーダー、書記、発表者など、様々な役割を分担することで、班全体の効率が上がります。しかしあくまでも各々の役割が明確になっている場合に限ります。

活動が停滞しやすい
4人いれば、誰か一人がやる気がないと、活動が停滞してしまうことがあります。

一人一人の発言機会が減る
人数が多いので話せる機会が減り、聞く側に回ることが多くなります。

意見がまとまりづらい
4人いれば、意見がまとまりにくいというデメリットもあります。全員の意見を尊重しようとすると、時間がかかったり、結論が出ないこともあります。

・相手のノートや情報端末の画面が見づらい
班隊形になったときに向かい合う形になるので、相手のノートを見たり、端末の画面を見るときに一度立ったり、話相手の方を向けて話すための指導が必要になってきます。

3人班

最小人数の班の人数です。また私が最もおすすめする班の人数です。

意見交換がしやすい
3人という少人数であれば、全員が発言しやすく、活発な意見交換が期待できます。一人一人の意見が尊重されやすく、多様な意見が出やすい環境と言えるでしょう。

責任感が生まれやすい
人数が少ないため、一人一人が担う責任が大きくなります。自分の役割を自覚し、責任感を持って行動するよう促されます。

親密な関係が築きやすい
少人数で活動することで、メンバー同士の距離が近くなりやすいです。互いを理解し、協力し合うことで、親密な関係を築くことができます。これは一人ひとりの会話の回数が増えることによるものだと思います。

・意見がまとまりやすい
3人とも異なる意見を出してきても、人数が少ないので比較検討がしやすくなります。

・互いの情報端末の画面が見やすい
共同編集などをする際に必要なのは会話と互いの画面が見えて、相手が何をやっているかです。3人班だと机を横一直線につなげると互いの画面が見えて協同編集の作業がやりやすくなります。

・教師の負担が増える
班の数が必然的に多くなるので、班の指導に教師が回る回数が多くなる。また児童を管理するのも難しくなります。

活動が停滞する可能性もある
児童の組み合わせが、全員物静かな児童や学習が苦手な児童同士で組み合わせるとリーダーシップをとれないので、活動が停滞する可能性があります。教師の積極的な支援が必要になってきます。

デメリットもありますが、アクティブラーニングや協同的な学習を実現するためには3人班がおすすめです。

3人班の座席バリエーション

以下は3人班の際の班隊形のバリエーションです。

ICTを活用した座席表

では実際に座席表をつくっていきます。

エクセルやワード、付箋を使うなどやり方はいろいろありますが、今回私が紹介するのは時間をかけずにすばやく座席表を作る方法です。

席替えメーカー

席替えメーカー」ブラウザアプリを使うと便利です。

・座席数の自由度が高い
・男女を配慮した座席表が作れる
・続きから作業が再開できる
・離す児童、近づける児童など、人間関係も配慮できる

これはすぐに使えるのでオススメです。

ChatGPT

生成AI「ChatGPT」を使って座席表を作るという方法もあります。
使い方に慣れれば座席表を1分もかからず作ることができるようになります。

しかも、児童同士の人間関係や身長を配慮することもできます。

詳しくは以下のリンクからどうぞ。

ChatGPTを使った座席表の作り方

毎日席替えをしてしまう

ここまで、席替えで大切なことなどを書いてきましたが、座席表を作ったり、考えたりするのが苦痛なら、思い切って毎日席替えをするという方法もあります。
その方法は以下のリンクからどうぞ。

毎日席替えをする方法

席替えをする前に指導すること

座席表まで完成したらいよいよ席替えです。

ですが事前に指導をしておくと後々からトラブルが減りますので、紹介します。

席替えの目的を児童に伝える

席替えの目的を、「多様な価値観を知る」と明確に伝えることで、子どもたちは異なる考えを持つ人を受け入れる準備ができます。また、自分とは異なる意見や価値観に触れることで、視野を広げ、学びを深めることができます。

「ワクワクするイベントであるけど、目的は賢くなることです。」

と児童に伝えてあります。

ネガティブなことは言わない

席替え後に、「前の席の方が良かった」「あの子と隣になりたかった」など、ネガティブな言葉を言うことを禁止します。このような発言は、周りの友達を傷つけたり、学級全体の雰囲気を悪化させたりする可能性があります。

「思うことは自由ですが、口に出すことは禁止です。」

と児童に指導しています。

仲良くなるじゃなくて上手くいく

席替えの目的は、必ずしも仲良くなることではありません。異なる価値観を持つ人と接することで、協調性やコミュニケーション能力を育むことが重要です。そのため、「仲良くなる」という表現よりも、「上手くいくようにしていく」という表現を使うようにしましょう。

ここ最近出できた言葉「調整力」とでもいうのでしょうか。

「よろしくね」と一声かけよう

席替え後は、隣前後の人に「よろしくね」と一声かけるように促しましょう。簡単な挨拶ですが、コミュニケーションのきっかけとなり、円滑な人間関係を築く第一歩となります。

席替えの後は簡単なレクリエーションをやろう

席替えのあとはアイスブレークをするために簡単なレクをやると、新しい席で円滑に生活がスタートできます。

「サンソン先生」のサイトが参考になります。

席替えをした後に!グループで楽しめるレク5選!
「席替えをしたあとにグループで交流できたらいいなあ」この記事では、そんな思いをおもちの教員のかたへ、おススメのレクを紹介します。 学校生活における、子供たちの一大イベント。それは「席替え」。本当になんであんなに盛り上がれるのかっていうぐら

まとめ

いかがだったでしょうか。

・席替えは多様な価値観を知るために行うもの
・席を決めるのは教師が主導で行うこと
・男女は混合で問題ない
・3人班は協同的な学習に効果的
・ICTを使うと短時間で座席表を作ることができる
・席替えの前には指導をする

先生方の参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

●現役小学校教員13年目
●家事育児のため定時退勤
●ICT・鉄道・授業・サウナが好き
●win-winな仕事の仕方を模索中
●小学校教師を魅力的な職業にしたい
●今年度は特別支援学級

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