授業中、うるさい子にイライラしてしまうことってありますよね。しかし、すぐに子どもを叱る前に、まずは自分の指導を見直してみましょう。
毎日たくさんの業務をかかえて、更にしんどい思いをしていると思いますが、他責思考でいては成長もありませんし、改善もされません。
おそらくこの記事をご覧になっているのは、今困っている先生だと思います。
私の考えが参考になれば幸いです。
うるさくなる原因
原因は一つではありませんが、私が過去に失敗した児童がうるさくなってしまう原因をいくつかあげてみます。
指示が長すぎる
教師の指示が長すぎたり、複雑すぎたりすると、子どもたちは理解できずに混乱し、騒いでしまうことがあります。指示は簡潔で分かりやすく、年齢や理解度に合ったものにすることが重要です。
特に幼少のころからYouTubeなどの情報内容が洗礼されたり、みたいところだけをスキップできたりする動画に慣れ親しんでいる児童にとって、ダラダラとした先生の長い指示は苦痛だと思います。
活動量不足
座って話を聞くだけの授業は、子どもたちにとって退屈であり、体を動かすことが好きな子どもは、じっとしていられずに騒いでしまうことがあります。
先程の内容と重複しますが、スマートフォンやインターネットの普及により、子どもたちは幼い頃から大量の情報に触れる機会が増えています。情報の洪水の中で、集中力が途切れやすく、待つことが苦手になってしまう可能性があります。
終わった後にやることがない
子どもが課題を早く終わらせてしまった場合、何もすることがなく、遊び始めてしまう可能性があります。終わった後の指示も明確に伝え、子どもが最後まで集中できるようにしましょう。
やることの難しい
子どもにとって課題が難しすぎると、集中力が途切れて、うるさくなってしまう可能性があります。子どものレベルに合わせた課題を与えるようにしましょう。
指示内容が理解されていない
そもそも指示の内容が理解できていないので、活動に移すことができないので、うるさくなる可能性があります。
対処方法
上の原因を踏まえて、いくつか対処方法を提案します。
指示の技術
まず、先生が改善しなくてはいけないのは、指示の技術を磨くことです。
一人一台端末があろうとも、個別の学びの最適化だろうとも、まずは先生が指示を出すことから始まります。
指示中は聞かせるに徹する
指示中は、子どもたちが集中して話を聞けるように、教師は静かに、ゆっくりと話すことが重要です。早口で話したり、複数人で同時に話したりすると、子どもたちは理解できずに混乱してしまいます。
また、よくあるのが、教師が指示中に口をはさむ児童がいますが、私は「黙りなさい。今は私が話ています。あなたの話す番ではありません。」とピシャリと言います。
児童が聞いていないなと思えば、話すのを止める勇気も時には必要です。
指示の視覚化
黒板やホワイトボードを使って、指示の内容を視覚的に提示することで、子どもたちは理解しやすくなります。イラストや図を用いるのも効果的です。
時間があるならば事前にCanvaやGoogleスライドなどで指示の一覧を作成しておくと、指示の漏れが無くなります。
数字を使って話す
指示を出す際には、数字を使うと分かりやすくなります。
例えば、「ごみを拾いなさい」よりも、「ごみを5つ拾いなさい」の方が、子どもたちは具体的な行動に移しやすくなります。
レベルごとに指示を出す
子どもたちの理解度や能力に合わせて、指示のレベルを調整する必要があります。理解度の高い子どもには、より難しい指示を出すことで、意欲を高めることができます。
例えば、社会で資料から気づいたことを書かせたいときに下のような指示を出します。
「レベル1。気付いたことを1つ書くことができる。」
「レベル2。気付いたことを3つ以上書くことができる。」
「レベル3。書いたことに何か共通点はあるだろうか。あればそれを更にノートに書きなさい。」
特に最もレベルの高い指示は、このあとの授業内容に関するものを出していました。
児童に確認する
指示を出した後、子どもたちが理解できているかどうかを確認することが重要です。質問をしたり、実際に動かせてみたりすることで、理解度を確認することができます。
私がよくやっていた確認方法は以下の方法です。
・今の指示で重要なことはなんですか。
・今の話の話題は全部でいくつですか。
・今の話を一言で言いなさい。
授業の腕が劇的に上がる本
上にあげた対処方法は私の経験から得たものもありますが、下の本をかなり参考にしています。毎月たくさんの教育書を読みますが、下の本はかなり私の授業観に多大な影響を与えました。
ぜひ、先生方にも読んでいただきたい本です。
子どもの聞く力、行動する力を育てる! 指示の技術
子どもが指示を正しく理解し、主体的に行動できるようにするための指示の出し方が、理論と実践の両面から詳しく解説されています。
授業で鍛える
子どもたちの主体的な学びを導く授業づくりの方法が、具体的な事例を交えながら詳しく解説されています。
授業の腕を上げる法則
「授業とは何か」「子どもをどう伸ばすか」という根本的な問いから始まり、具体的な授業実践における「指示の出し方」「質問の仕方」「板書の書き方」など、教師がすぐに使える技術が詳細に解説されています。
まとめ
・まずは自分の指導を見直そう
・うるさくなる原因には複数ある
・その対処方法も複数ある
・授業の腕が劇的にあがる本がある