教員を辞めたいと思ったら病気休暇をとろう【現役小学校教員が教える病気休暇の取り方】

先生の仕事

学校の先生方毎日お疲れ様です。

「毎日仕事が辛い。」
「明日学校に行きたくない。」
「もう先生なんて無理。」

分かります。その気持ち。

教員って、仕事量は多いし、休憩時間はとれないし、時間給に直すと悲惨だし、傷付くこともしょっちゅうだし、そういったことを改めようとしてもなかなか通らないし…ストレスの連続ですよね。

「だから辞めたい。」

でも、ちょっと待ってください。

その判断は正常な状態でしたことですか。

その判断は正常な状態でしたことですか

教員を辞めよう」その判断は正常な状態でしているものですか。

大学まで行き、苦労して手に入れた教員採用試験の合格ですよ。

人間極限の状態では正常な判断ができません。
だから一度休んで正常になってから考え直しましょう。

公務員は、給与をもらいながら休むことができます。

今回は、妻子持ちの小学校教員の私が病気休暇をとるまでの流れ、病気休暇をとってからの過ごし方、を紹介します。

ここまでよくがんばりました。まずは休もう。

ことのきっかけ

まずは、私が休むことになったきっかけを話させてください。

私が病休をとるきっかけは今年の6月。自分で言うのもなんですが、結構バリバリやっている教員でした。しかし去年と違って

  • 児童が可愛くない。むしろなんかめんどくさい。
  • なんかイライラする。
  • 肩こりがひどい。(数年整体に行っている。でも治らない。)
  • 平日と休日の体重の差が3キロ近くある。
  • 食事がめんどくさい。
  • 休日どこかに出かけるのも面倒くさい。
  • 頭痛がすごいので毎日バファリンを飲んでしまう。
  • 夜中に2回は目が覚める。

「やっぱり何かおかしいぞ。」

とりあえずはっきりさせたいと思い、公立学校共済組合の福利厚生の案内にストレスドック心療内科医に相談ができるというのがあったので試しにそれらを受けることにしました。

それぞれの体験談はこちらから。

結果、「うつ状態」という診断がくだりました。

「辞めたい、もう無理」と思ったら行動 3つ

「辞めたい。もう無理。」と思ったら辞めるという判断はせず、下のように行動してください。

まずは、心と身体を落ち着かせましょう。

年休で休む

病休を取るほどではないなら、まずは思い切って一日、年次休暇をとりましょう。

自分が休んだら迷惑をかけるかもしれない…

大丈夫です。あなたが休んでも先生の代わりはいます。でもあなたの代わりはいません。

必要なら2日、3日と休みましょう。

これで、復活して仕事ができるなら儲けものです。

ただし、一週間以上休むことになると診断書の提出が必要になってきます。診断書の取得のためには心療内科で書いてもらう必要があります。

私の場合、「あ、無理。」と思ったら年休を使って放課後はさっさと帰っていました。

心療内科で診てもらう

年休をつかって数日休んでも、気持ちの辛さがなくならない。
その気持ちの辛さは心療内科を受診して聞いてもらいましょう。

自己判断は禁物です。危険なのはツイッターでつぶやいてアドバイスを受けること。ネットの向こうの相手はあなたのバックグラウンドなどを知りません。

さらに言い方は悪いですが、家族や友人や同僚に本気で相談してもあまり意味はありません。彼らは聞くだけならできますが、精神に関しては素人です。またそのような重い悩みを聞かされるだけで大変です。

精神の専門家である、心療内科で診てもらいましょう。

そこで適切な処置とアドバイスをしてもらいましょう。

しかしここで大変なのがそもそも心療内科で診てもらうということ。
なぜなら、

・飛び込みで診察をしてもらうのは困難。
・心療内科を予約しても受診できるのは、結構先になることがある。
・そもそも心療内科に行くことに抵抗がある。

そこで使ってほしいのが、公立学校共済組合のストレスドックや心の相談。そういったものがみなさんの自治体にもあるはずです。

私の場合、共済組合の心の相談を活用して早めに受診することができました。また実際に心療内科に行くと普通の病院でしたよ。

病気休暇をとる

心療内科で診断書が取れれば、90日間病気休暇をとることができます。

病気休暇は一ヶ月単位での取得となります。

私の場合は「うつ状態」という診断がおりました。精神疾患の中では比較的軽症のものですが、やはり精神疾患にかかると辛いものがありました。

その間の給与は交通費を除いて満額支給されました。

給与面で心配することはありませんので、しっかり休みましょう。

病気休暇をとってよかったこと

ゆっくり寝ることができた

明日のことを考えずに寝ることができる。

これが、最大の病気休暇をとってよかったことです。

・明日の授業のことを考えなくていい。
・時間に追われなくていい。
・児童・生徒同士のトラブルを考えなくていい。
・やっかいな保護者や同僚の相手をしなくていい

これらから開放されて、ゆっくり眠ることができました。

また、心療内科で睡眠導入剤や精神安定剤を処方してもらい、今までは、夜中に2回目を覚ましたり、寝たのに寝た気がしなかったということがなくなりました。

こういった薬を服用することに抵抗がありましたが、眠ることができないのに比べたらどうしたことないです。

まずは、寝ることを優先に考えましょう。寝なければ冷静な判断はできません。

体調不良が改善された

体調不良が改善された。

これも病気休暇をとって変化したことです。

休暇を取る前に起きていた体調不良は、

  • 頭痛 (毎日仕事前にバファリンを飲んでいた)
  • 肩こり(数年整体に行っても改善されない)
  • 休日の無気力(家族と出かけるのがめんどくさい)

こういった体調不良が改善されました。睡眠をしっかりととることができるようになった副産物だと思います。

休日の旅行や外出を楽しめるようになった

旅行や外出を楽しめるようになりました。

今までは休日を満喫することができませんでした。

  • 土日のどちらからは教材研究や校務分掌で時間を使う。
  • 平日に疲弊しているので、休日は寝てたい。
  • そもそも仕事ばかりだから休日くらいなんかしないといけない焦燥感。
  • 日曜日に遊んだら、月曜日仕事をする自信がない。

しかし、病気休暇を取得してからは、授業をする必要がない、出勤する必要がありません。だから教材研究や持ち帰りの仕事で休日を潰す必要がありません。平日もヘロヘロになるまで仕事をする必要がありません。

思い切って家族との旅行や外出を心から楽しむことができるようになりました。

食事を楽しめるようになった

食事を楽しめるようになりました。

食事は人が生きていく上でとても大切なことです。
また人に癒やしを与えてくれるものです。

しかし、今まで私は食事に対して

  • 食事なんて栄養が補給できれば十分。
  • 早食いで味わうなんて行為がわからない。(おそらく給食のせい
  • なんで甘いもので幸せになれるのか意味がわからない。
  • 食べ物がおいしいって感覚がわからない。

くらいの認識でした。

病気休暇をとると昼食の時間をゆっくりとることができます。食べ物を味わって食べることができます。

少し高級なチョコレートを食べて、久々においしいっていう感覚を思い出しました。

児童が黙食しているか監督する神経をつかう必要もないですし、おかわりを配ることに時間を使って、自分の食事が取れないなんてこともありません。せっかくの食事をかきいれることもありません。

食事って楽しいですね。

自分の生き方・働き方を見直すきっかけができた

教員をやっていて今まで忙しかった分、時間がたくさんできます。

今回なぜ自分がメンタルダウンを起こしてしまったのか、そしてどうすればよかったのか。など自分と向き合う時間ができます。

また、これから自分はどうしたいのか、そのためにどうするればいいのか。ということまで考える時間ができました。

私の場合、とりあえず教員が続けるという結論になりました。理由は今の自分のスキルで今以上の給与を手に入れる見込みがなかったからです。(と思っていましたが、戦略を変更しました。)でもこれからは家族を優先にして生きていこうということになりました。

はじめは休むことに罪悪感がありましたが、今は休んでよかったと思っています。勇気を持って休みましょう。休むことも人生の経験です。

病気休暇中の過ごし方

病気休暇中ってなにをすればいいのか。
日頃の業務が忙しすぎてその反動で時間があってもどうすればいいのか、悩む先生もいると思います。

心療内科の先生から提案された、そして私がおすすめする過ごし方を紹介します。

とりあえず寝よう・休もう

教員は真面目な人が多いので、休むことに抵抗がある人が多いと思います。

しかし、病気休暇のはじめはまずダラダラ過ごしましょう。

自分史上最高にダラダラしましょう。

そして眠たくなったら寝ましょう。

でもやっぱり、

・学校は大丈夫かな。
・迷惑をかけてしまった。
・これから自分はどうなってしまうのだろうか。
・あれがなければ、自分はこんなことにならなかったのに。

学校や自分の未来のことが気になると思いますが、これでは回復が遅れます。

過去や未来のことにエネルギーを使わず、今の自分を休ませることにエネルギーを使ってください。

好きなことをしよう

うつ状態だと、今まで自分の好きなことなど様々なことに興味がなくなります。

眠ることができると、自然と活力が回復してきます。

そうなったら、好きなことをしましょう。

これまた教員は善人の方が多いので、病気休暇で好きなことをするだけなんて申し訳ないと思うかもしれませんが、そんな必要はありません。これが最善の治療ですから、動けるならば好きなことをやりましょう。

貯まったドラマを見るのもよし、アマプラで新作のアニメを見るのもよし、ひたすらゲームをするのもよし。

ただ気分の波があるので、よく動けた次の日は全く動けなくなる日もあります。
そうなっても落ち込まず、疲れたのであれば寝ましょう。

私の場合、そういった気分の波が1ヶ月ほど繰り返し起きました。

普段どおりの生活リズムを

体調が戻ってきたら、普段どおりの生活リズムに戻すように、言われました。

もっとも言われたのは、朝に起きることです。

そして日中はアクティブに動くように言われました。

私の場合は、自転車で隣町の図書館に行き、ブログを書く。毎日歩いて息子を保育園まで送っていく。銭湯にいってサウナに籠もる。水泳をするなどしてました。

有酸素運動はおすすめです。うつ症状にも効果があるそうですよ。

学校との連絡はメールやチャットでお願いしよう

病気休暇中でも間違いなく学校とのやりとりは定期的する必要があります。

嫌だと思いますが、学校とのやりとりは確実にしましょう。
でなければ余計な心配をかけます。

といっても

・電話でやりとりするのは嫌だな。
・電話ってつながらなかったらかけなおししないといけない。
・電話をかけて出た相手が嫌な人だったら

私は学校とのやりとりはGoogleチャットを使っていました。
学校がGoogle Education を導入していればすぐに使うことができるはずです。

これは私の所属する小学校の校長が提案してくれたものです。

Googleチャットを使うことのメリットは

・要件のある相手にダイレクトに伝わる。
・管理職からいわれる書類の提出指示を主治医に直接見せることができる。
・口頭では理解できなくても、文字になっているので後でゆっくり理解できる。
・やりとりを保存することができる。
・時間を気にしなくてよい。
・書いてもらいたい書類をデータで送ることができる。

それがダメならばメールでやり取りするという方法もあります。

教員を辞めると失うもの

ツイッターを眺めていても、「教員を辞めたい」・「教員から転職したい」というツイートを散見するようになりました。

考えれば当たり前ですが、教員を辞めると失うものもあることを承知してほしいです。

少し考えれば浮かぶものばかりですが、ざっと失うものです。

安定した給与

時間給に直すと最低賃金以下になるくらいの労働時間になる先生もいるようです。

それでも、安定して同年代の平均以上の給与を得ることができるのはすごいことです。

充実した福利厚生

大企業並みといわれる福利厚生を失うことになります。

・共済貯金
・高額医療給付金など様々な手当金
・人間ドック補助
・共済貸付

など書き切れないくらい福利厚生が充実しています。

私が今回、心療内科を受診したのもこの福利厚生のおかげです。

公務員という立場

教員を辞めると当たり前ですが、公務員という立場を失います。

公務員というだけで、金融機関における社会的信用が高いです。

すぐに辞めるという行動は待った!!

このように教員は病気休暇を取得すれば、長く休むことができます。

まずは、あなた自信の心と身体を元に戻しましょう。

元に戻り、それでも教員を辞めようと思うならば、その判断が正しいと思います。

最後は周りではなく、自分自身との対話で決めることになります。

人生を左右するような決断はすぐにしてはいけません。

焦らずにゆっくり決めていきましょう。

この記事を書いた人

●現役小学校教員13年目
●家事育児のため定時退勤
●ICT・鉄道・授業・サウナが好き
●win-winな仕事の仕方を模索中
●小学校教師を魅力的な職業にしたい
●今年度は特別支援学級

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