児童が宿題を忘れること、親として困った経験があるのではないでしょうか?
宿題をしっかりこなしてほしいと願うものの、何度も忘れられてしまうとどうしたらいいか悩んでしまいますよね。
この記事では、なぜ小学生が宿題を忘れてしまうのか、その原因を探り、効果的な対策をご紹介します。
宿題忘れの原因
小学生が宿題を忘れてしまう原因として、以下のような理由が考えられます。それぞれを解説します。
優先順位の失敗
小学生にとっては、遊びやテレビ、ゲームなど、他の活動が宿題よりも楽しく感じられることが多いです。宿題を後回しにしてしまい、結果的に忘れてしまうことがあります。
優先順位をうまくつけるスキルがまだ発展途上であるため、宿題よりも目先の楽しみに引っ張られてしまうことが原因です。
家庭環境
家庭環境によっても、宿題忘れが起こりやすくなります。たとえば、両親が忙しくて宿題の進捗を確認できない、家で宿題をするための静かなスペースが確保されていないなどが影響することがあります。
また、家庭のルールや習慣によっても、宿題を行う時間や環境が整わない場合、忘れやすくなることがあります。
勉強がわからない
宿題そのものが難しくて理解できない場合、取り組む意欲が低下し、やりたくない、もしくはどう進めればよいかわからずに後回しにしてしまうことがあります。
このような場合、宿題をしないまま次の日になってしまい、結果的に忘れてしまうというケースがよくあります。
集中が続かない
小学生は集中力が持続しにくいことが一般的です。宿題に取りかかっても、長時間集中することが難しく、途中で遊びに気を取られたり、別のことに興味が移ってしまうことがあります。
その結果、宿題を終わらせることができずに、忘れてしまうことがあるのです。
対策
宿題の計画を教室で立てる
教師が授業の終わりに、宿題をどのように進めるか簡単に計画を立てる時間を設けるのも有効です。「今日はこれを何分ぐらいでやるといいよ」といったアドバイスをすることで、家庭での取り組みがスムーズに進むようにサポートできます。宿題の進行状況をチェックする仕組みを作り、達成感を持たせることも効果的です。
授業中に宿題の一部を一緒にやる
もっとも手軽で、効果のある方法です。
授業中に宿題の一部を生徒と一緒に進める時間を設けることで、わからない部分を解消しやすくします。
これにより、家庭で宿題を進める際に「理解できない」という壁を減らすことができます。さらに、個別指導の時間を設け、質問しやすい環境を整えることも効果的です。
短い宿題を毎日出す
子どもの集中力を考慮し、長時間かかる宿題を避け、短くても毎日取り組める宿題を出すようにすることで、子どもが途中で集中力を失わずに宿題に取り組みやすくなります。
また、宿題は毎日パターン化して出すことで、児童が何をすればいいか分からず忘れることも防げます。
NG指導
感情的になる
感情的な指導は、教師と子どもとの信頼関係を損なう可能性があります。子どもは教師に対して不信感を抱き、相談したり質問したりすることが難しくなります。その結果、学習のサポートがうまくいかず、子どもが困難を抱えたままになることがあります。
また、感情に任せて叱ることで、一時的に子どもが言うことを聞くかもしれませんが、根本的な問題が解決されることは少ないです。叱責が繰り返されると、子どもは叱られないために表面的な対応をするだけで、問題の原因に向き合うことができません。
代替策:
叱責よりも、どうすれば問題を解決できるかに焦点を当てることが重要です。叱ることが目的ではなく、問題解決や改善に導くことが目的であることを明確にし、子どもと一緒に次にどうすれば良いかを考えましょう。
児童の抱えてる問題の背景を観察から推測することが必要です。
連帯責任
連帯責任とは、個々の生徒が犯したミスや規律違反の責任を、クラス全体やグループ全体に負わせる指導方法です。この方法には以下のような問題点があります。
連帯責任では、問題を引き起こした特定の子どもに直接働きかけることがないため、問題行動の原因に向き合うことが難しくなります。
クラス全体を罰することで、個々の行動が改善されるわけではなく、むしろクラス内の不和やいじめなどの新たな問題の火種になりかねません。
代替策:
クラス全体で協力し合うことの重要性を教えることは大切です。連帯責任ではなく、協力して問題解決に取り組む姿勢を育むため、クラス全員がサポートし合う環境を整えます。問題を起こした子どもに対して「みんなでどう助けられるか」を話し合う機会を設けることで、クラスの結束を強めながら、個別の問題に向き合うことができます。
過度な競争を煽る指導
過度に競争意識を煽ることで、子どもたちが「他人と比較される」ことを過度に意識してしまうと、敗北感や自己否定に繋がり、モチベーションが低下することがあります。競争を利用してモチベーションを高める場合もありますが、特に学習が遅れている子どもや自信のない子どもにとっては、プレッシャーとなり、逆効果になることが多いです。
代替策:
競争を強調するのではなく、個々の成長や努力を評価することが大切です。個別の進歩を認め、それぞれが自分のペースで成長できるような指導を心がけます。
公開の場での叱責や恥をかかせる指導
みんなの前で個別のミスを指摘することや、叱責を行うと、子どもは羞恥心を感じ、自己肯定感が低下する可能性があります。特に小学生は、他者からの評価に敏感な年齢であるため、公開の場で注意されることが過度にストレスとなり、学校に対する不安や宿題への意欲の低下につながることがあります。
代替策:
指導は個別で行い、誤りや改善点を冷静に伝えるよう心がけます。ミスを責めるのではなく、「どうすればうまくいくか」を一緒に考える姿勢が重要です。
宿題や課題を罰として扱う指導
宿題や課題を「罰」として扱うと、学習そのものが嫌なものだと感じてしまいます。例えば、「宿題をしなかったら休み時間を没収する」「ミスをしたら追加の宿題を出す」といった指導は、子どもが勉強に対して消極的な態度を持つ原因になります。
代替策:
宿題や課題は学習の一環として前向きに捉えさせることが大切です。宿題の意義を説明し、学習の楽しさや達成感を感じられるような内容にすることが効果的です。宿題を罰ではなく、子どもの成長を促す手段として扱いましょう。
まとめ
小学生が宿題を忘れてしまう主な原因は、「優先順位の失敗」「家庭環境」「勉強がわからない」「集中力が続かない」の4つが考えられます。これらの問題に対して効果的な対策としては、以下の方法が提案されています。
- 宿題の計画を教室で立てる:授業中に宿題の進行計画を立てることで、家庭での取り組みがスムーズになります。
- 授業中に宿題の一部を一緒にやる:宿題の一部を授業内で進め、理解しにくい部分をサポートすることで宿題の達成率が上がります。
- 短い宿題を毎日出す:子どもの集中力を考慮し、短い宿題を毎日出すことで習慣化させ、宿題を忘れにくくします。
さらに、教師が気をつけるべきNGな指導としては、「感情的な指導」「連帯責任」「過度な競争を煽る指導」「公開の場での叱責」「宿題を罰として扱うこと」が挙げられます。代替策としては、感情的にならずに冷静に問題を解決し、個々の責任感を育て、前向きに学習を進められるようサポートすることが大切です。
簡単に解決できる問題ではありませんが、参考になれば幸いです。