【小学校外国語専科のリアル】担任より楽?大変?現役教員が語る「本音」と「働き方改革」

ICT活用

「担任の業務量、限界かも…」
「英語専科のポジションに興味があるけど、実際どうなの?」

こんにちは、青ゴリラです。普段は小学校の正規教員として働きながら、家庭ではパパとして育児に奮闘しています。

実は私、今年度は「外国語専科(英語専科)」として、担任を持たずに全学年(3〜6年)・週20コマの英語授業を担当しています。

ネットで検索すると「評価が地獄」「疎外感がある」といったネガティブな言葉が並びますが、1年間やってみた私の結論はこうです。

「授業力とICTスキルがあるなら、専科は天国になり得る」

今回は、巷の噂ではない「現場のリアル」と、タブレット1枚で定時退勤を勝ち取るための「生存戦略」を本音で語ります。


結論:外国語専科は「担任」より楽なのか?

単刀直入に言います。精神的な負担と拘束時間は、担任時代より圧倒的に減りました。

論より証拠、私のリアルな数字を公開します。

  • 担任時代: 月平均残業 20時間 + 週末の持ち帰り仕事あり
  • 専科現在: 月平均残業 10時間以下 / 週末の持ち帰り仕事ゼロ

特に大きいのが「週末の解放」です。以前は土日も授業準備や学級通信に追われていましたが、今は金曜日にスパッと仕事を終え、土日は完全にパパモード。「ただいま!」と笑顔で帰宅し、家族の夕食を作る余裕さえ生まれました。


【メリット】ここが専科の「天国」ポイント

※注: 勤務条件は自治体や学校の規模、人員配置により異なります(給食指導や清掃分担がある学校もあります)。あくまで私の事例として参考にしてください。

「三大・担任業務」からの解放

  • 給食指導なし: 自分のペースで食事ができ、午後のための体力を温存できます。
  • 清掃指導なし: 昼休みや掃除の時間は、次の授業準備です。
  • 保護者対応・宿題チェックなし: 毎日の連絡帳チェックや突発的な電話対応がないだけで、精神的な軽さが違います。

定時退勤&年休の取りやすさ

学年の打ち合わせや教室整備がないため、授業と校務が終わればスパッと帰れます。この環境はパパ・ママ教員にとって最強のメリットです。

教材研究の効率化

全教科を準備する担任と違い、英語だけに集中できます。「授業職人」として一つの教科を深められるのは大きな喜びです。


【デメリット】ここが「地獄」?(解決策あり)

もちろん苦労もありますが、私は独自の工夫で乗り越えています。

「移動教室RTA(リアルタイムアタック)」

悩み: 休み時間はわずか5分。階を移動し、教材を運ぶのは重労働です。

解決策: 「タブレット1枚」しか持ちません。

私は黒板を一切使いません。すべてプロジェクター投影や手元のタブレットで完結させるため、チョークも教科書も持ち歩きません。身軽さは正義です。

【トラブル談:機材が死んだらどうする?】

「手ぶらでプロジェクターが壊れたら終わりでは?」と心配されるかもしれません。

その時は、道具不要の鉄板ゲーム「Simon Says(サイモン・セズ)」や「ジェスチャーゲーム」に切り替えます。これなら私の身一つあれば、5分でも10分でも英語の活動として場を繋げます。

「機材がなければ自分が教材になればいい」という腹括りさえあれば、手ぶらでも怖くありません。

教室環境ガチャ

悩み: 教室に行くとHDMIケーブルが抜かれていたり、机が乱れていたり…。

解決策: 黒板を使わないスタイルなので、「黒板が消されていない」というストレスもゼロです。ICT環境さえ整えれば、どこでも同じ質の授業ができます。


【盲点】英語だけじゃない!「代打の神様」としてのオールラウンド力

ここが、あまり語られない専科の「裏の重要任務」です。

専科は担任を持たないため、学校全体を見渡す「遊撃手(ショート)」のようなポジションでもあります。そのため、担任の先生が急に休んだ時の「代打(補欠授業)」を頼まれることが頻繁にあります。

朝出勤して突然、「○○先生がお休みなので、1時間目の3年2組をお願いできますか?」と言われることは日常茶飯事。

英語だけでなく、低学年の国語や高学年の算数など、「どんな学年の、どんな授業にも即座に対応できるオールラウンド力」が求められます。

ただし、ここには注意が必要です。なんでも安請け合いしてしまうと、本来の業務(授業準備や評価)を圧迫し、「隠れ残業」の原因になります。

  • 基本: 自分の授業準備と休憩時間の確保が最優先。
  • 戦略: 余裕がある時は快く引き受け、職員室での「信頼残高」を貯めておく。

このバランス感覚こそが、専科として長く生き残るための秘訣です。


検索上位の「評価地獄」説を論破する

「専科は数百人の評価処理があるから地獄」説。これに対する回答は「NO」です。

ICTを正しく使えば、担任時代より効率的かつ客観的に評価できます。


【実践編】AI・フォーム・Canvaで定時退勤を勝ち取るテクニック

私が実際にやっている「定時退勤のための3種の神器」を公開します。

※ICT活用にあたっては、各自治体のセキュリティガイドラインを必ず遵守してください。

生成AI(Gemini)で所見作成を効率化

Geminiに学習指導要領や指導案を読み込ませ、以下のプロンプトを投げます。

「Unit3について、100字前後で小学校3年生の所見文例を作成して」

これで作られた精度の高い「たたき台」を、実際の児童の姿に合わせて教師が責任を持って修正します。

【重要】 AIには絶対に児童の個人名や個人を特定できる情報を入力してはいけません。あくまで「一般的な文例作成」のツールとして活用します。

Googleフォーム × 即時評価システム

「数百人の授業中の様子なんて記録できない」と思われがちですが、私はGoogleフォームを授業中に使って解決しています。

手元にタブレットを持ち歩き、授業中に児童のパフォーマンスを見取りながら、その場でフォームに入力します。

「○○さんがこの表現を使えていた」という事実は、送信ボタン一つでスプレッドシートに自動蓄積されます。放課後に記憶を頼りに思い出したり、紙のメモをExcelに打ち直したりする必要はありません。

職員室に戻った時には、すでに評価データがまとまっている状態。あとはそれを処理するだけです。

この仕組みさえ作れば、人数が多くても恐れることはありません。

ALTとの打ち合わせは「Canva翻訳」で完結

5分の休み時間でALTと英語で打ち合わせをするのは不可能です。そこでCanvaのスライドを見せます。

Canvaの「翻訳機能」を使えば、授業の流れや意図が一瞬で英語化されます。アイコンタクトとスライドだけで連携はバッチリです。


【真実】「英語ペラペラ」じゃないと無理?私のスペック公開

「でも青ゴリラ先生、留学経験とかあって英語ペラペラなんでしょ?」

そう思われるかもしれませんが、ここで私の英語スペックを正直に公開します。

  • 留学経験: なし
  • 資格: 英検2級(高校卒業レベル)

これを見て、拍子抜けしましたか?そう、小学校の外国語専科に、ネイティブ並みの英語力は必須ではありません。

もちろん学習は続けていますが、教育者として私はこう考えています。

「正しい発音はAIやデジタル教材に任せる。私は『失敗を恐れずに堂々と話す姿勢』を見せるモデルになる」

「先生も完璧じゃないけど、間違ってもいいから大きな声で話そう!」と背中で語ることこそ、担任経験のある私たちにしかできない指導だと確信しています。


英語嫌いの子をどう巻き込むか?秘策は「自由進度」

専科の最大の壁は「英語アレルギーの子」の対応ですが、私は「自由進度学習」を取り入れることで解決しました。

ただし、ただタブレットで遊ばせるわけではありません。学習指導要領の目標である「コミュニケーション」につなげるためのステップとして活用します。

  • インプットは自分のペースで: 1人1台端末を活用し、単語や表現の練習は個人のペースで行います。周りと比べる必要がないので、英語への心理的ハードルが下がります。
  • アウトプットへの接続: インプットで自信をつけさせた上で、「じゃあ隣の人と今の表現を使ってみよう」と対話活動につなげます。

いきなり一斉授業で「はい喋って!」と言うと固まる子も、このステップを踏むことで、無理なく授業に参加できるようになります。


担任との人間関係:ドライな方がうまくいく

「担任とうまく連携できない…」という悩みも聞きますが、私はこれを「信頼に基づく完全分業」とポジティブに捉えています。

「先生、英語はお任せします!」と言われるのは、私の授業スタイルを信頼して任せてくれている証拠。変に干渉されるよりも、お互いの専門性を尊重し合い、それぞれの業務(担任は事務、専科は授業)に集中する。これがプロ同士の心地よい関係性だと感じています。

ちなみに、専科目線で「神」と崇める担任の特徴は以下の3つ。

  1. 学級経営ができている(子どもが落ち着いている)
  2. 環境整備ができている(机が整っている)
  3. 座席表がある

これさえあれば、あとは私がなんとかします。


まとめ:あなたは専科に向いている?

1年間やってみて、私は「来年も絶対に専科を続けたい」と断言できます。夕食を作り、家族と笑顔で過ごせる今の生活を手放したくありません。

外国語専科に向いている人

  • 授業力・ICTスキルに自信がある人: 授業で圧倒的な成果を出せば、子どもはついてきます。
  • 戦略的な「代打」ができる人: 自分の業務を守りつつ、学校全体のピンチも救えるバランス感覚がある人。
  • 家庭の時間を大切にしたい人: 持ち帰り仕事をゼロにし、QOLを爆上げしたい人には最高の環境です。

「担任に疲れたから」という消極的な理由だけでなく、「プロフェッショナルとして新しい働き方をしたい」という先生にとって、外国語専科は素晴らしい選択肢です。

働き方改革は、待っていても来ません。自分のスキルで勝ち取りましょう!

それでは、青ゴリラでした。


この記事を書いた人

●現役小学校教員14年目
●家事育児のため定時退勤
●ICT・鉄道・授業・サウナが好き
●win-winな仕事の仕方を模索中
●小学校教師を魅力的な職業にしたい
●今年度は外国語専科

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