近年、ICT(情報通信技術)を活用した授業が増えています。ICTを活用することで、生徒はより楽しく、より効果的に学ぶことができます。
今回は「Canva」、「Google サイト」、「You Tube」、「NHK for school」を活用した授業アイデアを提案したいと思います。
授業目標
社会科の学習指導要領をチャットGPTで100字程度で要約すると
地域の安全を守る働きに関する学習を示しています。具体的には、消防署や警察署などの関係機関が地域の人々と協力し、火災や事故などから人々の安全を守るための取り組みを理解することが重要です。学習のポイントは、関係機関や関連施設の見学や調査、地図や資料の活用、相互の連携や関係の理解、情報をまとめて表現することです。この学習を通じて、地域の安全を守るための活動や関係機関の役割を深く理解し、思考力や判断力、表現力を育むことが目指されています。
上のことを踏まえて今回の授業の目標は以下の2つに設定しました。
① 火事からくらしを守るのは誰か、またどのように守っているのか明確にする。
② 火事からくらしを守る仕組みを理解して、まとめることができる。
授業の工夫 7時間完了
第1時 「誰が」火事からくらしを守るのか
目標:火事による被害を防ぐために、だれが、どのような取組をしているのか考えることができる。
まずYouTubeで火事の動画を視聴させます。動画は、身近な地域で起きた火事の方がよいです。そうすることで、児童は火事が身近で起きるものであることを実感することができます。
児童が火事が身近で起きることを理解したら、資料集で火災の件数を確認します。火災の件数は、人口減少しているにもかかわらず減少しています。これは、消防設備の普及や消防活動の向上など、火災から身を守るための対策が進んでいるためです。
次に、児童に「誰が」火事からくらしを守っているのか予想を書かせます。多くの児童は「消防士」「消防署」と書くでしょう。その理由は、本で見たことがあったり、さっきの火事の動画で消防車が映っていたりするためです。
最後に、学習課題として「誰が火事から、どのようにくらしを守っているか」を設定します。
ここで工夫
単元名の「火事からくらしを守る」というタイトルには不足している言葉があります。
それは「誰が」火事からくらしを守るのかという言葉です。 そこから「誰が」という視点をもたせます。
第2時 消防士の仕事
消防署の見学の前にある程度消防士の仕事について学習します。
Google の「サイト」というアプリで動画を一覧にまとめたものを視聴させ、ノートに記録させました。
使った動画は「NHK for School」「You Tube」から市町村の消防関連動画。
第3時 消防署見学
第4時 通信指令室
第5時 学校や地域の防火設備
目標:学校や地域の防火設備を知ることで自分が火事からくらしを守ることができると知る。
消防士たちは通信指令室によって正確に現場に到着することがわかりました。しかし、火災が発生してから2分で広がります。消防車が到着するまで約7分かかります。
火災が発生してから消防車が到着するまでの5分の間に、自分たちでもできることはあるでしょうか?単に逃げるだけでいいのでしょうか?
学校で火災が発生した場合、学校には火災を消火するための設備があります。消火器やホース、防火扉、防火水槽(プール)など、消火や防火に役立つ設備がたくさんあります。これらの設備を実際に見せながら、学校には消火・防火のための装置があることを生徒たちに伝えます。
また、学校の外には街頭にも多数の消火器が設置されていることも知らせましょう。もしも火災が起きた場合、自分たちが消火器を使って消火することもできることを意識させます。また、助けを求める場合は大きな声を出すことも必要だと気づかせます。
街頭消火器について児童から出た発言で興味深かったのは
「消火器があるのは知っていたけど、よその家の物だと思っていた。」
初期の消火活動ならば、自分たちでもできることがあることを生徒たちに気づかせます。また、消火器の使い方を教えることもできます。
ここで工夫
実際に学校にある消火設備・防火設備を見せて使い方を説明する。いざとなったら自分たちで使うことができるということを知らせる。
学校の前にある、街頭消火器を取り出してきて、児童に見せるというのもインパクトがある。
そこから「火事からくらしを守る」のは自分であるという認識をもたせる。
第6時 消防団
第7時 標語・ランキングでまとめる
① 火事からくらしを守るのは誰なのか、理由とともに標語で説明する。
② 火事からくらしをどのように守っているのか。自分の知ったことをランキングでまとめる。
ここで工夫①
常に児童に目標を意識させるために学習目標を掲示しておくと良いです。
私は次のようなものをCanvaで作成して常に掲示していました。
ここで工夫②
できた標語は、QRコードを生成して印刷します。
1 児童が複数制作しても掲示するのは1枚で済む。
2 QRコードを撮影すれば互いに見ることができる。